ラトゥール・ジローはコート・ド・ボーヌの中でも素晴らしい白ワインを生み出すムルソーに拠を構えています。彼の生産量の80%は白ワインです。
 ラトゥール・ジローの歴史は3世紀以上に渡り、17世紀後半まで遡ります。
19世紀ごろ、ジロー家は長い間、ムルソーのオスピスでフィーヌやマールといったブランデーの蒸留をしていました。
 現当主、ジャン・ピエール氏がボーヌ、ディジョンで醸造、理工学を学び、ドメーヌに戻った80年代から、ドメーヌ元詰めを始めました。
 現在では葡萄の栽培からワインの醸造まで、すべてジャン・ピエール氏によって指揮されており、経理に関しては彼の姉であるフローレンスによって補佐されています。
 ラトゥール・ジローは現在10ヘクタールの畑を所有しており、その80%が白ワイン、20%が赤ワインの畑です。その大部分はムルソーの5つの一級畑、ジュヌヴリエール、シャルム、ぺリエール、ブシェール、ポリュゾに位置しています。


『ムルソーとは何か。全体的なイメージを敢えて言葉にするならば、複雑さ、強さ、バランスが取れているワイン。アタックではなく、口の中に含んだ時にリッチな香りを持ち、余韻に重たさを残さないワインです。』
まさに彼の造るワインを体現した言葉のようです。
彼のフラッグシップであるムルソー プルミエ・クリュ ジュヌヴリエール。
彼はこの畑の最大の所有者です。ジュヌヴリエールについて彼は言います。
『私の所有するジュヌヴリエールは斜面上部のDessusと呼ばれる区画です。斜面下部のDessousと比べてより表土が軽く、明るい色合いの土壌です。そのため斜面下部のジュヌヴリエールと比べても、より軽やかで繊細な味わいのワインになります。』ムルソーを語る彼の口からは、“繊細”、“ピュア”、“エレガント”といった言葉が繰り返し語られます。
『私個人は、重たくて、強いワインが好きではないんです。』
いわゆる典型的なムルソーが、若いうちから樽のロースト香が過剰に感じるのに対し、彼のワインは樽の風味が主張し過ぎず、樽の要素が肉付きのよい果実を支えるアクセントのように感じられます。
『私にとって、ワインとはテロワールありきです。まずはテロワール。それを表現することです。そしてどんな年でも私はテロワールを表現したワインを造る自信があります。』
寡黙なジャン=ピエール氏ですが、彼の言葉には常に揺るがない自信が感じられました。
『私は常に最高の場面も最悪の場面も想定しています。どんな年であろうとも、失敗したワインを造ることは許されないのです。』


生産者来日レポートより

Meursault Cuvee Charles Maxime
ムルソー キュヴェ シャルル・マキシム

畑:3ヘクタール 7区画からのブレンドです。ジュヌヴリエール、ポリュゾ側に位置するLe Limouzin、Les Cliots、Les Pelles Dessous  オーセイ・デュレス側に位置するLes Vireuils Dessous そしてムルソー北側に位置するLe Clos du Cromin、Les Corbins、Les Malporieresです。

Meursault 1er Cru Geneveriere
ムルソー プルミエ・クリュ ジュヌヴリエール

平均樹齢:40年 新樽比率:25%
ラトゥール・ジローはこのジュヌヴリエール最大の所有者で、2.5ヘクタールを所有しています。
ぺリエールと並び、ムルソー1級畑の中でも世界的に称賛されている畑です。
彼のジュヌヴリエールは甘美なストラクチャーを持っています。
丸々として深淵、スムーズ、エレガントなフィネスと絹のような滑らかさがありバランスが取れています。
ヘーゼルナッツ、ハチミツの香りがあり、ムルソーの神髄を感じさせます。絹のように滑らかな余韻があり、複雑さがあるワインです。