ボーヌで醸造の勉強をし、イタリアのFranciacorta(フランチャコルタ)で6ヶ月間スタージュをしたAntoine Jaboulet-Vercherre(アントワーヌ・ジャブレ=ヴェルシェール)はブルゴーニュのオークセイ・デュレスで白ワイン(Meursault, Auxey-Duresses, Bourgogne Grand ordinaire, Bourgogne Aligoté)を造っていました。初ヴィンテージは2000 年でした。

順調に経験を重ねてはいましたが、家族の事情で畑を売らなければならないことになり、ブルゴーニュでのワイン造りには終止符を打つこととなったのです。それから10年。パリの不動産業で働いていたアントワーヌは再びワインの世界に戻ることを決意しました。

新しい機会を探していたアントワーヌはスロベニアを訪れ、その国の進歩に驚きました。20年前、アントワーヌはスロベニアに恋に落ちていました、そして白ワインに相応しい畑をこのMaribor(マリボル)に見出したのです。

彼はパートナーとスロベニアでワイン畑を探し、ここでワインを造り住むことを決意しました。

レンシュキ・リースリング(Renski Rizling), ラシュキ・リースリング(Laski Rizling)、シャルドネ、 ケルナー(Kerner)

彼の2.5 ヘクタールのブドウ畑はおよそ35年前に植樹された古木の畑です。

コロナ渦の影響でスタートは遅くなってしまったが、2021 年には本格的に栽培を始めることが出来ました。

ブルゴーニュでの経験同様、すぐにビオ栽培への変換を進めています。

栽培:2.5 ヘクタールの畑には4 品種植えています。

去年の夏に追加で5 ヘクタールにブドウを植えることが許可され、今から2年間かけて進めていきたいと考えています。

畑では化学肥料は一切使用せず、手摘み作業で収穫を行っている。畑には雑草を生やしています。

醸造::手摘みで収穫したブドウは全房で空気圧搾機でプレス。その後タンクに入れ、軽いデブルバージュをしてから木樽に移します。バトナージュとルモンタージュを行う。温度調節あり、マロラクティック発酵あり。

フィルター掛けをし、ワインのPH に応じてSO2わずかに添加します。      

ケルナー シュタイエルスカ
【2021】 Kerner Z.G.P Stajerska

葡萄:ケルナー100% 
畑・土壌:大陸性気候、Stajerska(シュタイエルスカ)の粘土石灰質、シスト。南東向き。
醸造:除梗せず。タンク内で自然に前清澄。全房のまま直接圧搾。天然酵母で発酵。
熟成:500Lのブルゴーニュ樽で12カ月熟成。瓶詰めの前にSO2わずかに添加。

味わい:スモーキーな香りとハチミツやココナッツのニュアンスが感じられるワインです。
メロンや青リンゴ、またセルフィーユやレモンタイムなどのハーブのアロマ。
酸味とタンニンが綺麗に調和しており、料理との相性が良い。

ラシュキ・リーズリング
【2021】【2022】 Laski Rizling Z.G.P Stajerska

葡萄:ラシュキ・リーズリング(ヴェルシュリースリング)100%
畑・土壌:大陸性気候、Stajerska(シュタイエルスカ)の粘土石灰質、シスト。南東向き。
醸造:除梗せず。タンク内で自然に前清澄。全房のまま直接圧搾。天然酵母で発酵。
熟成:500Lのブルゴーニュ樽で12カ月熟成。瓶詰めの前にSO2わずかに添加。

味わい:熟した果実が口いっぱいに広がり、アニスの香りや新鮮なフェンネル、また砕いた洋ナシや爽やかなリンゴ、水仙の花のニュアンスが印象的。まろやかでフレッシュな口当たりに旨みや複雑感もあり、長年進化し続けるワイン。

レンシュキ・リーズリング シュタイエルスカ
【2021】【2022】 Renski Rizling Z.G.P Stajerska

葡萄:レンシュキ・リーズリング(ライン・リースリング)100%畑・土壌:大陸性気候、Stajerska(シュタイエルスカ)の粘土石灰質、シスト。南東向き。標高350M。
醸造:除梗せず。タンク内で自然に前清澄。全房のまま直接圧搾。天然酵母で発酵。
熟成: 500L、1,200Lのブルゴーニュ樽で12カ月熟成。瓶詰めの前にSO2わずかに添加。

味わい:ライムのジャムやビターなオレンジ、フレッシュなアプリコットも香り。酸味がはっきりとしており、バランスの綺麗なワイン。

シャルドネ シュタイエルスカ
【2022】 Chardonnay Z.G.P Stajerska

葡萄:シャルドネ100% 
畑・土壌:大陸性気候、Stajerska(シュタイエルスカ)の粘土石灰質、シスト。南東向き。標高350M。
醸造:除梗せず。タンク内で自然に前清澄。全房のまま直接圧搾。天然酵母で発酵。
熟成:228L、500L、600L、1,250L、1,800Lのブルゴーニュ樽で12~18カ月熟成。瓶詰めの前にSO2わずかに添加。

味わい:とてもアロマティックで数種類のリンゴの香りが印象的:フレッシュな青りんごや、焼きリンゴの甘味、ジューシーな果実味も感じられ、とてもリッチな口当たり。口に含むと、爽やかなレモン、そしてプラリネ、砕いたヘーゼルナッツ、白いヌガー、コショウのようなスパイスなど、複雑感のある味わい。

シャルドネ シングル・バレル シュタイエルスカ
【2022】 Chardonnay Single Barrel Z.G.P Stajerska

葡萄:シャルドネ100% 
樹齢:35年 最も優れた区画から造るワインです。
畑・土壌:大陸性気候、Stajerska(シュタイエルスカ)の粘土石灰質、シスト。南東向き。標高350M。
Chardonnayと同じ区画ですが、今年は特に斜面上部のブドウが素晴らしかったため、上部のもののみを使用したのが、Chardonnay Single Barrelになります。
同じ区画でもこの上部のシャルドネは2週間遅れて収穫しました。醸造方と熟成方はChardonnayのキュヴェと同様です。
ブルゴーニュらしいシャルドネを造りたい思いで、結果はリッチでアルコール度数がChardonnayより0.5%高いキュヴェになっています。
熟成は600Lのストッキンガー製樽で、生産本数は700本です。