フランス・サヴォワ地方は、スイス、イタリアと国境を接する地域。古くはサルデニア王国の
領土でフランスに併合されたのは1860年。その為イタリアとの歴史的関係が深いようです。
ブドウ畑はスイス国境のレマン湖畔から、ローヌ河沿い、イーゼル河沿いに点在しており
アルプスに繋がる山岳地帯の中の標高200~500mのところ。生産されるワインの7割は
辛口の白ワインになります。
日本では便宜上「ジュラ&サヴォワ地方」と書いて、ジュラとサヴォワのワインを同じ括り
にされてしまいますが、この二つ地方の気候や風土、栽培されているブドウ品種も大きく
異なりますのでワインのタイプも違います。
ソムリエ試験的には、サヴォワ地方で有名?なアペラシオンは≪クレピー≫と≪セイセル≫
になるのでしょうか・・・日本のヴァン・ナチュール業界では、たぶん≪ビュジェ・セルドン≫
の方が知名度が高いかも。
さて、今回輸入した「ドメーヌ・ジェヌー/シャトー・ド・メランド」は一年以上前に開催された
某試飲会で出会ったワイン。取扱いを検討している段階でじわ じわと為替相場が円安に
進んでしまい、取り扱いを断念しかけたのですが、試飲した時の美味しさが忘れられず、
数量はかなり控えめですが輸入しました。
【Domaine Genoux / Chateau du Merande 】
同社は1248年より代々続いている家系で、サヴォワ地方の都市シャンベリから15キロの
ところアルバン村(ARBIN)あります。
ブドウ畑はローマ時代から存在していたようです。所有する12ヘクタールの畑は主に馬で
耕作するなど、以前より自然な栽培を実践してきました。そして2009年に正式にエコセー
ルに登録。
今回輸入したワインは、モンドゥーズ種の赤ワインが三種類、アルテス種とルーサンヌ種
の白ワインが三種類。モンドゥーズを7ヘクタールも栽培している為、赤ワインの生産量が
多いのも特徴といえます。
サヴォア地方のワインはどちらかと言えば内向的な味わいで、華やかというよりは、地に
足の着いた重心の低いタイプが多い印象です。そしてこのシャトー・ド・メランドも例外では
ありません。特に赤ワイン(モンドゥーズ)は”山のワイン”の代表格と言えるのでしょう。
ビオディナミを実践し、天然酵母の使用、SO2の添加を極力避けたワイン造りは、まさに
サヴォワの≪テロワール・ワイン≫