社内試飲レポート

いつもお世話になっております。
㈱オルヴォーの村岡です。

新入荷ワインの社内試飲レポートとなります。
ご参考にしていただければ幸いです。

※若き兄弟が指揮を執るバシェ=ルグロ2007年の試飲です。

2007 Santenay Sous la Roche / Bachey-Legros 参考上代¥4,200
エッジにわずかに緑。明るいイエロー。
軽く心地よいスモーク香。ミネラル、シダ、フレッシュハーブ、白い花。
口に含むとピュアで純度が高く、凝縮した果実味がグッと広がる。
複雑さはなく、果実味主体だが、パワフル過ぎない。
2007年に見られがちな果実味が弱く、酸が立って感じられることがない。
若さ所以の樽のニュアンスが少し浮いて感じられる。
今から素直に美味しく飲めるワイン。
南国系ではない華やかさを持ったシャルドネ。
抜栓直後から美味しく飲める。

2007 Chassagne-Montrachet 1er Cru Morgeot / Bachey-Legros 参考上代¥8,000
エッジに緑。明るいイエロー。サントネよりやや深い色調。
軽いスモーク香。抜栓直後から樽のほのかなニュアンスがワインに
馴染んでいる。
甘味のある白系果実、ホワイトチョコ、シダ、フレッシュハーブ。
やはり2007年としては凝縮感のある香り。
口に含むと目の詰まった果実味が広がる。柔らかさがあり、ミネラルや
酸がぶつからない。
強いて言えば、全体の構造が若干緩いのはアペラシオンの個性か?
樽香がアクセントになって効いている。
余韻にしっかりと果実味が乗っかってくる。
2007年の良さを教えてくれるような美味しさがあります。

2007 Santenay 1er Cru Clos Rousseau / Bachey-Legros 参考上代¥5,000
エッジに赤紫。明るいルビー。
甘い黒系果実。熟したタンニン。わずかにスモーク香。
抜栓直後は還元のニュアンス。
時間が経つとスパイス、白コショウの香りが一度あがり
そこから甘い果実の香りが溶け込んだオリエンタルスパイス、八角、フラン
ボワーズ口に含むと、のっけから黒系(過熟気味ではない)果実、ブラック
ベリーがゆっくりと広がる。
濃くはないが果実味がしっかりと乗っかっており、酸味も浮いた感じがない。
2007年らしいバランスの良さがあります。
ブラインドで飲んだらコート・ド・ボーヌとは答えられないかもしれません。
余韻にもしっかりと果実味が続き、熟した甘味のあるタンニンが少し残る。
サントネ。面白いです。

※ACフロントン最高の生産者、プレイザンスの新ヴィンテージです。

2007 Chateau Plaisance AOC Fronton 参考上代¥2,100
エッジ青紫。濃いガーネット。
わずかに金属的なニュアンスを伴うスパイス香。
プラム、ダークベリー、奥にグリーンペッパー。
口に含むと香りからは想像出来ないフレッシュな酸味。
2006年に比べ果実味が重層的だが、重たくはなく粘性も強く感じない。
複雑さはないが、熟したタンニンがしっかりとあるため
メリハリが効いたバランスが心地よい。
余韻にも熟したタンニン、やや甘味のある果実味、チョコレートのニュアンス。
南西地区フロントン特有の葡萄ネグレットについては経験が少ないですが、
タナよりも柔軟で純度の高い果実味と香りの華やかさが感じられます。
ブルゴーニュ好きにも薦めてみたい個性のある一本です。

※2007年のブルゴーニュは、伝統的な味わいの最良年といえます。
ミシェル・グロも良質なワインに仕上げているようです。

2007 Bourgogne Hautes Cotes de Nuits Rouge / Michel Gros 参考上代¥3,300
エッジやや淡い色調。明るいルビー。
コショウ、砕岩、ミネラル、干し草、ミックスハーブ。
抜栓直後はやや酸が前に出て感じられるが、非常に穏やかな酸味。
口に含むとコケモモや野イチゴなど野生の赤系で小さな果実味がゆっくり広がる。
2006年に比べると果実味の重さはないが、バランスは取れている。
余韻は長くはない。
どんな年でも安心して飲める生産者のひとり。

※ロッシュビュシェールはまだ進化を続けています。

2008 Rose Cotes du Rhone / Roche Buissiere 参考上代¥2,300
エッジ淡いオレンジ。ややくすんだサーモンピンク。
グラスに鼻を近づけるまでもなく果実の香りが強く立ち上がります。
アプリコット、キャンディー、アセロラ、すりリンゴ、駄菓子を思わせる揮発性の
高い甘い香り。
わずかに酸化のニュアンスがアクセントとして肯定的に捉えられるほど果実の香り
が溢れ出る。
例年に比べても圧倒的な香りの強さ。
口に含むと文字通り溢れ出るような果実味。果実の要素多数。
とはいえ難解な複雑さは感じさせない。ジューシーでみずみずしい。
バックの穏やかな酸がだらしなくさせないバランスを取っている。
余韻は長くはないが、ロゼとしてすごく美味しい。
自然派のネガティヴな要素を感じさせない会心の出来。

2008 Flonflon Cotes du Rhone / Roche Buissiere 参考上代¥2,400
エッジ赤紫、深みのある紫を帯びたガーネット。
北ローヌのシラーを思わせるスパイス香。コショウ、ショウガ、ナツメグ、
奥に動物的なニュアンス。
抜栓直後は果実の香りがあまり上がってこない。
口に含むと、シラーとしては非常に純度の高い果実味。
カシス、プラムを思わせる果実、粒が小さくエキスが綺麗に感じられる。
余韻までしっかりと果実味が続き、甘いタンニンが心地よい。
開放的な果実味と後ろに感じる冷涼な酸味とのバランスがいい。
2007年のような骨格の強さとは異なり、綺麗な果実味が抜栓直後から楽し
める。昔のやんちゃな味が好きな人には綺麗すぎるかもしれない。
若い生産者の成長を感じさせるワインでした。

2007 Gaia Cotes du Rhone / Roche Buissiere 参考上代¥3,500
エッジ黒紫、色調の濃い紫を帯びたガーネット。
スパイス、カンゾウ、プラム、アメリカンチェリー、ヴァニラ、黒系果実
スパイスを練りこんだチョコレート。
香りのさまざまな要素が渾然となる。
以前のヴィンテージに見られた還元的な要素や硬さは感じられず、
現時点でも複雑でバランスがとれたボディあるワイン。
フロンフロンと比べると明らかに格上で構造が重層的。
明らかなポテンシャルも感じさせるが、今飲めてしまう憎いワイン。
香りも果実味も複雑で情報量が多いため、贅沢な食事が欲しくなる。
完成度の非常に高いワイン。