Pierre Bouree&Filsの新着アイテムと、Domaine Nicolas Rossignolの
社内試飲レポートをお送りいたします。
ご参考いただければ幸いです。
2009 Bourgogne Blanc
ムルソー村とピュリニー・モンラッシェ村のシャルドネを50%ずつ使用。
エッジに緑、明るいイエロー。
ローストしていないアーモンドを思わせる樽香。シダ。スワリングする
と奥から柑橘系の果実香。スナックパイン。
口に含むと、旨味のある果実味が膨らむ。重心が低く、適度なボリュー
ムを感じますが、奥にフレッシュな酸味がありバランスを引き締めてい
ます。香りの印象ほど甘味が前に出過ぎておらず、現時点でバランスが
取れている。シャサーニュ・モンラッシェを思わせる華やかさがありま
す。抜栓の翌日は構造が少し緩く感じました。
2008 Bourgogne Rouge
赤みがかった淡いルビー。白コショウやドライハーブなどのスパイス香
とアセロラ、日本のサクランボなどの赤系果実の香りが混ざり合ってい
ます。
口に含むと、抜栓直後は酸味を前に感じます。時間と共に金属的なミネ
ラル香を伴う果実味が穏やかに広がり、ジュヴレ・シャンベルタン村の
個性を思わせます。酸味を伴った余韻へと続きます。
抜栓直後は少し荒々しさも感じますが、抜栓翌日には毛羽立ちが抑えら
れ、アタックも柔らかくなりました。
2001 Gevrey Chambertin
全体にオレンジがかったルビー。抜栓直後から黒糖やナツメを思わせる
甘い香り。シナモン、ナツメグなどのスパイス。口に含むと、透明感の
ある酸味が静かに広がり、それを追いかけるようにドライではなくセミ
ドライフルーツ的な旨味を伴う果実の甘味を感じます。
金属的なミネラル感は砂や小石を思わせる風味になっており、引っかか
りはありません。重心が軽やかですが、構造がしっかりとしているため
余韻までバランスが崩れません。
熟成香だけではなく、干した果実の甘さが感じられ、今、このワインの
初期的な飲み頃に入っていることを感じさせます。
抜栓の翌日、翌々日も予想以上に果実味が残っていました。
初カツオのタタキとの相性が良かったですが、タコの柔らか煮との出汁
の相性が面白かったです。
2008 Bourgogne Pinot Noir
ヴォルネイ村とポマール村のシャトー・ド・ポマール斜面下の二区画。
樹齢15~45年。エッジわずかに紫がかった深みのあるルビー。
2008年のAOCブルゴーニュとしては濃い色調。熟したダークチェリーや
ベリー類、ほのかな樽香、わずかにスパイス。抜栓直後から開放的な
アロマ。口に含むと、熟したベリー類を思わせるピュアな果実味が広
がります。スケールは決して大きくはないものの、不足感なくキメの
細かい果実味が詰まっています。全体を見ると2008年らしい酸味の量
は感じますが、果実とのバランスが取れており、美点に感じます。
余韻に残るタンニンにまだ若さも感じますが、質感が細かく、現段階
から楽しめます。酸味を伴う瑞々しいフルーツを丸かじりしたような
印象。価格の付け方を安く付け過ぎたかもしれない。
無地のコルク。せめてドメーヌ名ぐらい入れてほしい。
2008年の美点が感じられるお薦めブルゴーニュ。
2007 Bourgogne L’Heritiere
シャトー・ド・ポマールのAOCポマール真下。
1922年に植樹した古木のみが植わる小区画から造られる特別キュヴェ。
エッジわずかに紫がかった濃いルビー。甘いスパイス。瑞々しいチェ
リー。グレナデンシロップ。クランベリージュース。抜栓直後から非
常に集中力のある果実香があがる。フレッシュな黒系果実をクラッシ
ュしたような香り。明らかにAOCブルゴーニュのスケールではなく村名
以上のスケール。
柔らかいしなやかな果実味が大きく広がり、石のようなミネラルの風
味を伴います。瑞々しく滑らかで、酸味が柔らかく溶け込んでいます。
ポマールというよりはヴォルネイを思わせるバランス。
2006年の同キュヴェと比較すると、果実の凝縮感は劣るが、よりエレ
ガントなバランスで2007年の方を好む人も多いのではないか?
タンニンは繊細だが、少し余韻に残り若さを感じる。果実の香りが強
すぎて繊細さに欠けるように思ってしまうほどです。若いワインが好
きならば現時点で価格以上の満足を得られると思いますが、少し熟成
した後の全開な姿を予想すると我慢したくもなります。
ブショネのないDIAMコルク使用。