試飲コメント、つづき・・・

Thiery Richoux
2006 Irancy

≪社内試飲コメント 2010年4月≫
エッジに赤みがかった淡い明るいルビーレッド。スパイス香。
コショウなどのスパイスというよりドライハーブのニュアンス。
アセロラ、ザクロ、サクランボといった赤系果実を中心とした
控え目なアロマ。
奥に少し金属的な硬質な要素も感じます。口に含むと軽やかで
優しい酸味を基調としてサクランボや野イチゴの赤系果実味が
広がります。全体的に果実味、タンニンが軽やかで、抵抗感なく
口に入ります。余韻にかけて重量感を感じる果実味が舌の上で塊
のように感じられしっかりと残ります。

イランシーといえばシャブリ近郊のキンメリッジ土壌のピノ・
ノワールです。酸味やミネラルを基調としたサンセールのような
味わいをイメージしていましたが良い意味で期待を裏切ってくれ
ました。抜栓して二日目になると、中間で控え目に感じた赤系果
実の要素が向上しトップのハーブ香と溶け込んで、非常に魅力的
なバランスとなりました。
軽やかで優しい上質なブルゴーニュとしてお薦めです。

2006 Irancy Thierry Richoux

2006 Irancy Thierry Richoux

PARENT
1999 Ladoix Cotes de Beaune

≪社内試飲コメント 2010年4月≫
エッジにややオレンジが入りはじめたルビー色。
抜栓直後からアロマが非常に開放的。イチゴ、ブラックベリー、
チェリーなどのコンフィコショウなどのスパイス、ヨード、
ドライフラワーの要素も少し感じられます。
口に含むと、熟成感のある果実の甘味が現れて広がります。
全体的に複雑さ、構造の緻密さはあまり感じられませんが、熟成
を経て、初期的な飲み頃に入った開放的な果実味と緩やかさがあ
りタンニンも綺麗に溶け込んで、余韻へと続きます。
今飲んで美味しいワインです。

PARENT
1999 Pommard 1er Cru Chaponieres

≪社内試飲コメント 2010年4月≫
エッジに赤紫、深みのあるルビー色。
想像以上に若々しい香り。スパイス、ミネラル、熟したブルーベリー、
ダークチェリー、プラム奥に動物的なニュアンスも感じられます。
果実味、酸、タンニンが非常に緻密でしっかりとした構造。
時間が経つと共に奥から紫、黒系果実の存在感が際立ってくる。
中間から余韻にかけての砂糖漬けの黒系果実や金属的なニュアンス
がしっかりと残ります。
ヴィンテージから考えても若々しさがあり、緻密で冷涼感があり改
めてシャポニエールがヴォルネイ側のポマールということを思い出
させてくれます。今飲んでも良いですが、これからの熟成もまだ楽
しめるワインです。

2007 Clos Leo Cuvee Caroline
≪社内試飲コメント 2010年4月≫
エッジに濃い紫がかった深みのあるガーネット。
プラム、ダークチェリー、カシス。口に含むと予想以上に果実味に
緩みがない。綺麗に完熟したフレッシュな
プラム、ダークチェリーの瑞々しい果実味。
余韻にかけてチョコレートの風味も口に広がります。若いタンニン
がありますが、柔らかいためあまり気にはなりません。偉大なワイ
ンではないかもしれませんが、コストパフォーマンスは高い。

2007 Clos Leo Cotes de Castillon
≪社内試飲コメント 2010年4月≫
ヴァニラ、スモークといった品のいい樽の香り。
プラム、ダークチェリー、イチジク、カシス、フレッシュなハーブ。
トップの樽の香りが偉大なワインを連想させます。
口に含むと熟したタンニンがしっかりと前に出て感じられ、奥に集
中した赤、黒系果実が集中しています。まだまだ粒子が硬く集中し
ており、今後の熟成のポテンシャルの高さを感じます。
二日目には奥に隠れていたピュアな果実味が出てきてタンニンとバ
ランスのとれた味わいに向上しました。
抜栓直後はややタンニンが強く濃厚なワインと捉えてしまいますが
奥に集中している果実味がとてもピュアで瑞々しさを感じさせます。
造り手が日本人であるという贔屓目を抜きにしても素晴らしいワイン。
2007年はまたひとつ上の段階に登ったことを感じさせてくれました。